また精神疾患を抱えている人は、他の病気やけがと違って、どこが痛いなどのはっきりとした症状をうまく表現できないケースが多いです。また自分自身でも病状がどのような状態にあるのか、はっきり自覚していない人もたくさんいます。このようなもどかしさを抱えている患者のフォローをするのも、看護師の重要な仕事です。患者の様子を観察して、いつもと違った様子はないかなどをチェックしていきましょう。普段と違うかどうかというのは、普段からじっくりと患者と向き合っていないとなかなか気づけません。患者との人間関係を作り出し、患者のメンタルをやさしく解きほぐして、治療というよりも患者のケアを行っていくという意識を持って仕事に当たりましょう。
その他にも精神科看護師となると、ほかの医療スタッフとのコミュニケーションも重要になります。医者や薬剤師などのスタッフとチームを組んで、患者の治療を行います。そこでチーム内で患者の様子の情報を共有するためには、密接な人間関係を構築する必要があります。たとえば、精神疾患を抱えている患者の治療は基本的に投薬治療が中心です。中には、いろいろな種類の薬を大量に服用する必要のある患者もいます。また精神疾患の他にも、体の病気を抱えている患者もいます。その場合には、精神疾患用と体の病気を治すための薬を同時に服用しないといけないケースも出てきます。薬の管理を行うために、薬剤師との綿密な連携をとる必要があるわけです。
また精神疾患の治療をするのは医者ですが、精神疾患は奥が深く、なかなか完治させるのが難しい病気です。そこで医者の治療をうまくサポートして、より高い効果を上げるためにも看護師とのチームワークは、ほかの診療科目以上に重視されます。このように周りの人間関係をうまく構築できるかどうかが、精神科看護師として活躍できるかどうかの重要なポイントになります。